アカショウビンの背中の青い羽は、翼に隠れて見えづらい個体と
見やすい個体がいます。
今年の個体は、青い羽が見やすい個体でした。
ところで、この青い羽は、何のためにあるんでしょうね~?
クチバシから足先まで真っ赤なアカショウビンの中で
この部分の羽だけ青い理由は何なんでしょう?
森の中で主にアカショウビンの餌になるのは昆虫ですが、
昆虫に見える波長の範囲は、人間よりも短波長側(青色、紫色)
に偏っていて、紫外線域まで見える代わりに長波長側(赤色)
が見づらいそうです。
森のハンターとして、昆虫を捕まえるアカショウビンが赤いのは
昆虫から見えづらい色だからということが理由かもしれませんね。
昆虫からするとアカショウビンは、姿が見えずにさっと忍び寄る
森の忍者と言ったところでしょうか。
カエルも良く捕まえますが、カエルに見える波長域は
ほぼ鳥類と同じそうですので、カエルに対しては
赤い色は姿を隠す色にならないようです。
でも、カエルは動かないものを認識しないという視覚の
特性があるため、枝の上でじっと動かずに餌を探し、
餌を見つけるとサッと飛び出す餌の採り方は理にかなって
いると言えます。
カエルがアカショウビンに気づいたときはもう手遅れ、
気づくと長いくちばしの間に挟まれていた、、、ということに
アカショウビンの赤い色や行動は餌を採るのに適している
というふうに考えることができますが、では話を戻して
背中の青い羽はなぜ、何のために???
鳥は、人間よりも視細胞の種類が多く紫外線域を識別できる
視細胞も持っていて、人間の見える波長域から紫外線域までを
見ることができます。当然、青い色も良く識別できます。
普段は、翼の下に隠れた青い羽も翼を広げたときには、
とても良く目立ちます。
私の想像ですが、アカショウビンのディスプレイやメスがオスを
呼ぶときには下の画像のように大きく翼を広げて背中を見せます。
このとき、背中の青い羽が大きくアピールするポイントになっている
のではないかと思うのです。
アカショウビンの赤い色は餌を捕まえるため、青い色は繁殖時の
アピールのため、という根拠の薄い仮説を立てたりして、あれこれ考えながら、
またアカショウビンに会えるのを楽しみにするというのもいいじゃないですか。