鴈供養

毎年恒例ですが、ガンたちの旅の無事を
祈ってこのお話を紹介します。

今シーズンは思いのほか雪が多く、
ガンたちも真冬は餌を採るのに苦労したことと
思います。
まだまだ寒い日もありますが、すっかり
雪も解け、ガンたちも渡りの準備を始め、
どんどん南からこちらへ渡ってきています。

まもなく、こちらのガンたちもすっかり
姿を消し長かった冬が終わり、春の訪れを
感じる季節になろうとしています。

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ガンたちは、北の国からの長い旅をする際に
それぞれが一本づつ枝をくわえて飛んでくるという。
疲れると、くわえていた枝を海に浮かべて、
その上にとまって羽を休めて、また旅を続ける。

海を渡り終えて浜につくと、いらなくなった枝を
浜に残しそれぞれの越冬の地へ渡っていく。

春、浜で、秋に置いていった枝をまた
それぞれが一本づつくわえて北の国へ帰って
いくという。

ガンたちが渡っていった後には、不幸にして
日本で命を落としたガンの数だけ枝が残される。

浜の人たちは、その枝を拾い集めて風呂を炊いて
命を落としたガンたちの供養をするという。

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もちろん、渡りのガンたちが枝をくわえて飛んで
いるところを見たこともありませんし、
海に浮かべた枝の上で羽を休めるということも
空想の話だと思います。

でも、こういう自然のいとなみに対する思いが
つまったお話はいつまでも忘れたくないですね。

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ガンたちが、自分の枝をくわえて、無事に北の国へ
帰って、また来年元気な姿を見せてくれることを
期待しています。



by KX2_Birder | 2018-03-14 22:00 | 鳥・撮り・トリビア | Comments(0)  

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